なぜ眠らないといけないの?睡眠の5つの役割と眠りの必要性

記事更新日: 2021/11/28

ライター: みこ

毎日眠ることは当たり前ですが、ふと考えたことはないでしょうか。

どうして寝ないとだめなの?

眠くなるから寝ているけれど、”ショートスリーパー”のように、眠る時間をいかに短くするかを模索している人も大勢います。

みこ

眠らないでもいいなら、その方が時間がたくさん使えるのでは?

と思ってしまうことも。

しかし、ヒトはもちろん、生き物のほぼすべてが睡眠をとっています。植物も眠っているという研究結果もあげられているほどです。

 

植物もなの?!

ということは…

みこ

睡眠は生きるために絶対に必要なものなんです!

私たちはどうして眠らないといけないのでしょうか?

睡眠が必要不可欠な理由を知って、毎日の眠りの質を上げていきましょう!

この記事を書いた人
不眠症の編集長 みこ
ある時から少しずつ眠れなくなってきてしまい、今や睡眠剤で日々の眠りを支える万年不眠症(最近はマイスリーを飲んでます)。自分に合う眠剤を探しながら、眠れない日々を癒すため趣味のパン屋さん巡りにいそしんでいます!

睡眠が与えてくれる5つの役割

健康に大切なものは、大きく分けると食事・運動・睡眠の3つ。

健康的な食生活も、適度な運動もとても大切ですが、最新の研究では、健康のためにもっとも大切なのは睡眠であるということが言われています。

 

えー!睡眠が1番大切だったの!!

みこ

そうなんです!

それでは、睡眠が私たちにもたらす役割について解説していきましょう。

眠りが与えてくれる5つの役割
① 身体と脳に休息を与える
② 記憶を整理して定着させる
③ ホルモンバランスを調整する
④ 免疫力を上げて病気を遠ざける
⑤ 脳の老廃物を取る

役割① 身体と脳に休息を与える

みこ

眠ることの重要性では、一番に思いつくのではないでしょうか。

 

うんうん。睡眠のイメージって言ったら、これだよね〜。

人間は、自分の意思とは無関係に自律神経が働き、身体の機能を調整してくれています。

自律神経には『交感神経』と『副交感神経』があり、日中は交感神経が優位に、睡眠中は副交感神経が優位になります。

 

副交換神経が優位になるにつれて身体は省エネモードに切り替わります。

そして副交感神経が優位になるこの時間は、身体と心の回復時間なんです。

みこ

別に怠けているのではなく、身体にとって重要な時間なんです。

出典:自律神経を知ろう! - 北林医院分院

なので、睡眠時間が短くなったり、リラックスできずにいると、副交感神経がうまく働かず、自律神経のバランスが乱れて日中に影響が出てくるのです。

夜眠れなくて日中しんどい理由は、副交感神経が上手く働いていないことも原因のひとつ。

みこ

自律神経の働きを整えるためにも、睡眠によってしっかり夜回復することが大切なんですね。

役割② 記憶を整理して定着させる

 

記憶を整理して定着?

みこ

そう。例えば、試験前に徹夜で勉強した経験のある人は多いかと思うんだけど……

 

あ…何度も経験あり…笑。

みこ

実は、よく寝たほうがテストの成績がいいなんていい研究結果もあるほどなの!

 

出典:エンパワースリープ・ジャパン株式会社

目が覚めている間に脳の海馬へと保管された記憶は、夜眠りはじめのノンレム睡眠(深い眠り)の間に、大脳新皮質に移動します。

このように、記憶が長期保管ができる脳の部位に移されることで、しっかりと定着させているんです。

睡眠は忘れるためにも使われる

記憶を強化するだけではなく、いらない情報を忘れるということも、脳の整理では大切。トラウマになるようなつらい体験など、忘れた方がいいこともありますよね。

睡眠は、私たちが思っているよりもずっと身体のことを理解してくれていて、情報の全てを保存するのではなく、むしろ覚えておくべきことを選んで記憶として留めてくれているんです。

みこ

無意識でこの作業を行なっている睡眠ってすごいですよね!

役割③ ホルモンのバランスを調整する

 

ホルモンのバランス調節って、具体的にはどんなこと?

みこ

よく聞くけど、ふわっとしていてわかりにくいですよね。


それでは、睡眠不足になると身体にどのようなことが起こるのか、いくつか例を挙げてみます。

心疾患のリスクが高まる

コチゾールと呼ばれるストレスホルモンが増加。
コチゾールが増加すると血管が収縮し血圧が上昇し、心疾患のリスクが高まると言われる。

食欲が増す

満腹感を知らせるホルモンであるレプチンの分泌が減り、食欲を増加させるグレリンの分泌が増える。
その結果、食欲をコントロールできずに食べ過ぎてしまう傾向に。

筋肉量が減る、肌の潤いがなくなる

成長ホルモンは睡眠中に分泌されるため、成長ホルモンが不足すると筋肉量が減り、運動能力が低下し疲れやすくなる。
このほか、発汗量が低下して皮膚が乾燥しやすくなる。

役割④ 免疫力を高めて病気を遠ざける

ヒトの免疫力はホルモンと連動していると言われるため、ホルモンバランスが崩れると、同時に免疫の働きもおかしくなってしまいます。

つまり、風邪をひく確率も高くなってしまうのです。

 

えーそうなの?!

みこ

これは実験結果も出ていて、睡眠時間と感染率が比例していたそう!

出典:ハウス食品株式会社

身体に病原体が入ってくるなどして病気になると、寝ている間に免疫システムが病気と戦ってくれるため、睡眠時間が短いとそのシステムが働く時間がなくなってしまうんですね。

インフルエンザの予防摂取が効かない?!

2002年、睡眠とインフルエンザワクチンについて、衝撃的な研究結果が発表されました。

7時間半睡眠のグループと4時間睡眠のグループがインフルエンザの予防接種を受け、その後の抗体の有無を調べた実験の結果。

なんと、4時間睡眠のグループは7時間半睡眠のグループに比べて、50%の免疫反応しか示さなかったと言います!

 

 

 

参照:大岡医院HP

 

ええー半分?!

みこ

この結果を見ると、睡眠は病気を遠ざけるための働きもあるってことですね!

役割⑤ 脳の老廃物を取る

 

脳に老廃物ってあるんだね〜。

みこ

そうなんです!

ヒトの脳は頭蓋骨の中で「脳脊髄液」に包まれていて、例えば転んで頭を打ったとしても、脳がそのまま頭蓋骨に当たって傷つかないように保護されています。

出典:古代エジプト人「脳みそは鼻水を生み出す器官」

そしてこの脳脊髄液は常に新鮮なものが必要になり、およそ150ccほどが1日4回に分けて、計500~600ccほど入れ替わっているそう。

この入れ替わりの際に、脳の老廃物も一緒に排出されて脳内の掃除が行われているんです。

みこ

例えて言えば、脳にある下水システムのようなものですね。

日中にもこの清掃は行われていますが、やはり入れ替えは睡眠中がメインの時間。日中の10~20倍の老廃物が排出されるので、夜眠る時間が十分に必要になるのです。

睡眠不足はアルツハイマー病の要因に?!

この老廃物の中には、アルツハイマー病の原因とされる「アミロイドβ」などの毒素も含まれています。

マウスを使った実験で、マウスをずっと寝かせずにいるとアミロイドβが蓄積することもわかってきました。

もちろん睡眠を十分に取ればアルツハイマー病が発症しないというわけではありません。

あくまで、睡眠不足は数あるアルツハイマー病を引き起こす要因のひとつですが、睡眠不足が脳に与える影響の大きさがうかがえますね。

眠らないことの恐ろしさ

みこ

睡眠にどのような役割があるのかをお伝えしました。眠るって大切ですよね!

 

睡眠は大切って言うけど、こんなに重要な役割があったんだね。

みこ

そうなんです!

眠っている間には、思っている以上に身体の中でさまざまなことが行われています。

仕事が忙しいとついつい睡眠をおろそかにしがちですが、眠らないことで身体のバランスが崩れてしまったり、記憶力が下がってしまったりと、デメリットの方が多いことに気がついてもらえたのではないかと思います。

以前はギネス記録に不眠記録が記載されていたこともありましたが、現在では眠らないことへの挑戦は危険を伴うものとして、該当項目が削除されています。

睡眠不足は、実は恐ろしい!

みこ

健康維持のために、必要不可欠な睡眠。

睡眠の役割を意識して、毎日の眠りと向き合ってみませんか?

この記事を書いたライター

みこ

グレバリではお馴染み、ナイトブラマニアのサイト編集長。

好きな食べ物=パン。趣味=パン。生きがい=パン。

と脳内パンだらけでノー天気見えますが、実は重度の不眠症。眠れない日々を、なんとか好きなもので満たしています。

睡眠障害の辛さはなったことがなければわからない!

同じ悩みを抱える人に、少しでも気持ちが安らぐ情報をお届けしたいです。

この記事に関連するラベル

ページトップへ