爆誕!飲めるチーズケーキ!摂食・嚥下障がいの食の悩みに向き合うインクルーシブフード

記事更新日: 2023/06/30

ライター: Cot

極上スイーツブランド「toroa」の飲めるとろ生焦がしキャラメルアップルチーズケーキ。

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トロットロのチーズケーキでびっくり!

このチーズケーキは、産学官福祉連携インクルーシブフード(嚥下調整食)支援として作られた新食感のスイーツ。

摂食・嚥下障がい児支援「mogmog engine」「新渡戸文化学園」そして中野区が共同開発したもの。

▷どんな商品なのか詳しく見る

こだわりのスイーツは、 北海道産チーズ、生クリーム、発酵バターを100%使用。 中に入っているりんごジャムは、青森県産の王林と国産紅玉をブレンドし酸味と芳醇な味わいに仕上がっています。 自家製の焦がしキャラメルクリームもたっぷり。

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嚥下障がいがある人もない人も関係なく、一緒に楽しめる絶品スイーツ!


今回は、このインクルーシブスイーツが作られた背景をお伝えします。

商品開発の背景

「mogmog engine」共同代表の永峰玲子さん。娘さんと一緒に商品を試食。

このプロジェクトは、産学官福祉が連携して社会課題に取り組むというもの。

”飲めるチーズケーキ”づくりのプロジェクトに関わったのは、極上スイーツブランド「toroa」、摂食・嚥下障がい児の支援を行う「mogmog engine」、子ども園~短期大学まで食育に力を入れている「新渡戸文化学園」、子育て支援や保育に注力している「中野区」。

摂食・嚥下障がいがあって食事支援が必要な子どもにおやつをあげる場合、例えばドーナツなら、親はミキサーでドーナツを撹拌してそれを牛乳で溶き、さらに滑らかにするため茶こしなどで裏ごしをしてから食べさせなくてはなりません。

働きながら家事をしながら、このような手間をかけられるのは、子どもへの愛情があってこそ。

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でももう少しだけラクに、みんなでおいしく食べられるスイーツがあったらいいよね?

という発想のもとにプロジェクトが立ち上がりました。

またこの取り組みは、商品の収益金の1%が「mogmog engine」を通じて摂食嚥下障がい支援に寄付され、循環型支援のシステムも取っているのです。

どんな課題があるの?

誰でもおいしく食べれられるものを作りたいという想いから始まった。

「そもそも食べられるものがない」
「食べられるように加工する手間が大変」
「家族が一緒の食べ物を食べてみたい」——など。

そもそも、摂食・嚥下障がいを持つ人の家族には、その9割以上が毎日の食事に悩みを持っているそう。

食べるのに困難がある人は日本に100万人以上はいると言われていて、そのうち摂食・嚥下障がいのある子どもは2万人を超えると、「mogmog engine」の永峰玲子さんは言います。

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外食したくてもその場で食品を加工できなかったり、そもそも食べられるメニューがなかったりと、選択肢がとっても狭いことが大きな課題!

今回のプロジェクトは、その課題を解決するひとつの方法として、インクルーシブフードを作ろうというもの。

”インクルーシブフード”って何?

プロジェクトに関わったみんなで記念撮影

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インクルーシブフードって初めて聞いたけど、どういう意味なのかな?

インクルーシブフードは、食事支援が必要な方や障がいの有無に関わらず、加工せず、誰もが食べられる嚥下調整食のこと。

インクルーシブ(inclusive)とは、「仲間はずれにしない」「みんな一緒に」という意味で、どんな背景の人も排除せず、共に学び、共に生活して行くことが当たり前の社会をつくるための活動を指したりもします。

食事に関することだけでなく、教育や制度などさまざまな活動や事柄が対象です。

飲めるチーズケーキの開発過程

開発した「toroa」の飲めるチーズケーキはパッケージもオシャレ

このプロジェクトは産学官福祉連携で行われるため、それぞれが役割を担うかたちで開発が進められました。

まず、スイーツブランドスイーツブランド「toroa」が、新渡戸チームに商品開発の考え方や仕様と伝え、レシピを開示しないことを条件に商品づくりを開始。

その後、新渡戸チームより商品案を提示して「toroa」と調整。最終的に、新渡戸チームは自力でレシピを考案し「toroa」が試食。それをもとに「toroa」がレシピを作成し、原料・製法などを調整するという流れで、出来上がりました。

子ども用・障がい者用などあえてレシピを分けず、プロが食べてもおいしいものをつくろうと、素材にもこだわったという飲めるチーズケーキ。

濃厚で、スルッと喉を通るちょうどよい粒度。

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摂食・嚥下障がいがある人には、この粒度が重要!

硬さによってはむせてしまったり、喉につっかえてしまったりするため、ちょうどよく”目飲める”硬さにするのが難しかったそうです。

嚥下障がいのある人に協力してもらい、「これなら納得!」というものが出来上がるまで何度も試食を繰り返して出来上がったと言います。

中野区は広報支援で協力

発売前の試食会には中野区長・酒井直人さんも参加

広報支援を行う中野区は、ふるさと納税の返礼品に申請するなどして、このプロジェクトに全面的に支援。

サブカルチャーの聖地というイメージのある中野区ですが、再開発に合わせて妊娠・出産・子育てトータルケア事業にも力を入れる街になっているそう。「住みたい街ランキング」の常連なだけありますね。

新渡戸文化学園の学生が社会課題と向き合う

コロナ禍でプロジェクトに携わった新渡戸文化学園のチームメンバー

そして今回レシピ開発に携わった新渡戸文化学園チームの学生メンバーは、コロナ禍でプロジェクトに臨むことになり、「自分たちにとっても挑戦だった」と開発期間の大変さ、面白さを振り返りました。

対面に比べて意思疎通などにも苦労がある中、レシピ開発を通して人とのつながりや課題に対する向き合い方、何ができるのか、どうしたらよりよい解決方法が見つかるか。社会の一員として、自分が成すべき役割を考えるきっかけになったと語ってくれました。

企業・大学・行政が三位一体となり、社会課題に取り組んだ絶品チーズケーキは、インクルーシブフードとしてはもちろん、スイーツのプロも納得の出来上がりに。

Cot

とろける食感のチーズケーキ、味わってみてください!

【information】

極上スイーツブランド toroa
https://www.kutsurogi-ya.com/shopbrand/ct104/
新渡戸文化学園
https://nitobebunka.ac.jp/
mogmog engine 運営「スナック都ろ美」
https://snack-toromi.com/

この記事を書いたライター

Cot

救急科看護師をして5年目。

グレバリでは現職の看護師の知識を活かして、医療分野のアドバイザー役です!

趣味ではワインが大好きで、ワインの情報も発信してます♡

繊細さん(HSP)でもあるので、あなたの気持ちに寄り添いたい、この想いが届くと嬉しいです!

 

 

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